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白帝社 アジア史選書

 

私たちは今、20世紀にあったアジアへの侵略とその前に横たわる歪んだアジア観(像)を反省し、アジアの国々と対等平等の立場から、アジアの将来と日本の位置を見定める時期に立っている。白帝社アジア史選書は、そうした認識のもと、アジアが包有する豊かな世界、限りない魅力を積極的に掘り起こし、アジアを知る新たな手がかりと可能性を提示していくことを目指している。本選書が対象とするアジアとは、東アジアに軸を置きつつ、広く北・中央・西(西南)アジアから南・東南アジアの諸地域も含む。もちろん日本も大切な領域である。
アジア◆四六判・カバー装・250〜350p. 
◆本体価格1600円〜1800円


001 皇帝政治と中国  

梅原郁 著  本体価格 1800円  978-4-89174-633-9

これまで誰もがみこみ得なかった皇帝政治という視座から中国史の本質に迫り、皇帝政治が再生産され続けてきた「カラクリ」をわかりやすい筆致で解き明かす。中国史のみならず現代中国を知るための必読の書

002 知の座標 -中国目録学

井波陵一 著  本体価格1600円  978-4-89174-634-6

中国は膨大な書物を残してきた文字の国である。著者はその集積された知の世界をConstellation星座とみたてその座標軸を目録学とした。図書館学、中国文化論に関心のあるかた必見の書。

 

003 王莽-儒家の理想に憑かれた男 

東晋次 著  本体価格1800円  978-4-89174-635-3

「聖」をキーワードに儒家理念の権化の如く生きた男の生涯を克明に辿ることによって、その実像を浮かび上がらせる。本邦初の王莽伝。


004 亀の碑と正統 領域国家の正統主張と複数の東アジア冊封体制観

平勢隆郎 著  本体価格1600円  978-4-89174-675-9

東アジアは漢字文化を共有する。しかし、その中は一様ではない。本書はこれまであまり知られていなかった特別な碑石を検討し、それが東アジア全体にかかわり、中国や韓国や日本という国家に、その中の地域に関わることを、具体的に検証する。自分こそが一番だと主張するための[形]が台座の亀に託された。さあ、その[形]を求めるたびに出よう。


005 隋唐時代の仏教と社会 −弾圧の狭間にて

藤善眞澄 著  本体価格1600円  978-4-89174-699-5

中国における仏教受容の歴史は、21世紀のメインテーマ、異文化交流−調和と融合−に大きな示唆を与える。


006 古代江南の考古学 −倭の五王時代の江南世界  

羅宗真 著 中村圭爾・室山留美子 編訳  本体価格1800円  978-4-89174-724-4

 華北と異なる江南の地におりなされた社会と文化。それらを豊富な地下の遺物から存分に描いた江南文化研究の第一人者、羅宗真著の訳編。


007 戦国秦漢時代の都市と国家 -考古学と文献史学からのアプローチ

江村治樹 著  本体価格1800円  978-4-89174-753-4

 都市の性格の究明を通して、そのような統治の枠組みの特質と成立要因について、文献資料だけでなく、考古資料も駆使して探究する。


008 魏晋南北朝壁画墓の世界 -絵に描かれた群雄割拠と民族移動の時代

蘇哲 著 本体価格1800円  978-4-89174-843-2

 魏晋の薄葬思想が壁画墓の衰退に及ぼした真相、鮮卑慕容氏前燕の鹵簿制度、北魏孝文帝と馮太后一族の関係、東魏-北斉墓に表れる身分制と民族意識、西域から異質文化の流入など、諸問題を克明に辿り、その特質を解明。



009 モンゴル年代記

森川哲雄 著  本体価格1800円  978-4-89174-844-9

13世紀に編纂された『元朝秘史』以来、モンゴル人たちは自らの言葉で多くの歴史書、いわゆるモンゴル年代記を編纂してきた。そこからはモンゴルの歴史とともに多様なモンゴルの文化を窺うことが出来る。本書はこれからモンゴル年代記の全容を紹介した我が国で始めての書である。


010 広開土王碑との対話 

武田幸男 著 本体価格1800円  978-4-89174-883-8

もの言わぬ碑文と真摯に対話した酒匂景信・水谷悌二郎ら、王志修・栄禧・初天富らの内外の人物像を通じて、碑文の語る真意を探る。 


011 雲南の歴史 アジア十字路に交錯する多民族世界-

川野明正 著  本体価格1800円  978-4-89174-118-8

中国56民族の内26民族が居住する雲南省の有史以来の歴史を、各時代の状況ごとに多民族が去来し、定着する有様から、幾重もの層をなす歴史の地層を提示し、通観する。中国・東南アジア・チベット・南アジア各地域に通じるアジア十字路の交差点として、雲南地方を位置づけ、諸民族の系統を踏まえて多角的な視座で描き出す。本邦に希少な省別通史。


012 世紀末イスタンブルの演劇空間 -都市社会史の視点から 

永田雄三・江川ひかり 著  本体価格1800円  978-4-86398-190-4

19世紀末から20世紀初頭のイスタンブルがパリやロンドンなどヨーロッパ諸都市を意識して変容する姿を、当時上演された演劇のポスターを軸に歴史的背景を交え詳解。伝統演劇の基礎の上に受容された近代演劇が花開き、トルコの「鹿鳴館時代」とでもいえる「西洋化」がいちじるしい街の変化の様子がそこから見てとれる。世紀末イスタンブルは、当時のヨーロッパ、さらには日本とも同じ雰囲気をもつ演劇都市だった。


013 都市・上海

春名徹 著  本体価格1800円 

東アジアの伝統的な港市から西欧文化が直接流入する開港場へ。わたしたちのアジアの矛盾そのものを体現する都市・上海へ!一切の虚飾、一切の幻想の言説の中にわけ入り、ひたすら上海の真実を歴史的に追いもとめることにより、アジアの近代の質を問う。